何度と無く想像したこの瞬間は案外あっけないもの。北海道で再会したときより更にヨボっている親父が、変わらない笑顔で迎えてくれた。48時間かかった船旅を終え、沖縄へ到着した・・・
「うわ!青っ!」
7時。甲板にあがったワシは思わず感嘆した。
高校を卒業してすぐに本土に出て8年くらい生活していたワシは内陸に住んでいた為、実際に海を目にすることが少なかった。今回の旅で散々本土の海を見てきたワシはいつしかオキナワの海の色を忘れていたようだ。眼前にひろがる(マリンブルーというよりも)スカイブルーはワシの心を改めさせ、誇らしく思わせた。
”帰って来たんだオキナワへ”
汗が少しだけにじんだシャツ。ワシはその中を通る心地よい風に暫く身を委ねていた・・・
「ああ!タッチュー!」
沖縄本島が見えてきた。本部町の西側を航行しているとその伊江島が見えてきた。「タッチュー」とは尖ったもの、そびえ立つものを形容する言葉で、伊江島の中心部が少し尖り気味の丘になっている事から地元では良く「伊江島タッチュー」と呼ばれる。ワシはカメラを構えながら昔家族で島をドライブしたことを思い出し懐かしんだ・・・
「これからどうします?」
48時間の船旅。2等客室には十数人の客が居て、最初の頃は皆殆ど会話をせずに過ごしていたが、徐々に言葉をかけあい、グループらしき形ができはじめた。知恵の輪に夢中になっていたワシにも声がかかり、ゴアイサツ。それぞれの沖縄に帰ってからのプランを話し合う。ワシ以外の3人は皆「移住組」という事が分かった。
”人気だなぁ”
ちょっと嬉しかった・・・
”カン、、、カン、、、カン、、、”
那覇新港に着き階段が降ろされていよいよ3年ぶりの沖縄へ。一歩一歩踏みしめながら、3年前にこの階段を上っていった事を思い出す。カメラをムービーモードにしながらその瞬間を捉える。
「すぅ、、、、ふぅ、、、、」
息を大きくすって大きく吐いた。
到着。旅の途中、それこそ”サクラ”を使ってでも沢山の人に迎えに来てもらおか!と考えたこともあったのだが、、、理由が理由だ。仕方ない。いつか、旅を再会できた時に本当のゴールの時に迎えてもらうことにして、久々の帰郷を素直に喜ぶ事にした。
「それじゃ!またどこかで会ったときに!」
船の中で知り合った仲間たちと記念撮影。順番に運ばれてくるバイクに乗っては一人、また一人と場を後にする。ワシの愛車も運ばれてきた。
「それじゃ!オキナワをおもきし楽しんで下さい!」
「はい!お元気で~!」
”よし、行くか!!”
久しぶりにエアコンのスイッチを入れて港を出た・・・
「3年ぶりに帰ってきました、、、」
県庁でパンフをもらって撮影したあと、いよいよ実家へ。車を降りたワシはまたまたカメラを”ムービーモード”にして録画開始。ぶつぶつと「ナレ」を入れながら家に近づく。
「ただいまー!!、、、、とーちゃん?、、、あれ???」
居ないぢゃない((((^^;
”チェー!、、トイレか、、、”
記念すべき瞬間を撮れなかったことに舌打ちしつつ親父を待つ。
「はじめー?お帰り(´ー`)」
北海道で会ったときより更に動きが遅くなったか?親父が嬉しそうな顔で迎えてくれた。
「とーちゃん、ただいま。」
「おかえり。ごはん食べたか?」
”うん。たしかに口調がハッキリしている”
肝硬変を患って「このまま飲酒を続ければ命に関わる」と言われてからの親父は生まれ変わった様に健康的な生活を送っていると聞いていた。テーブルにはかつて常備されていたお酒は無く、代わりにその場所にオレンジの野菜ジュースが置かれていた。姉弟で十年近く「飲みすぎないで!」と訴えていたが一向に聞く耳を持たなかった親父がねぇ、、、
「まだ!腹減った~」
「(入れてくるから)座っときなさい」
「んー」
、、、ただいま。とーちゃん。
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1枚目:風ピュー!
2枚目:与論島へ到着!気持ちイイ!!
3枚目:伊江島タッチュー
4枚目:水納島
5枚目:船中のお仲間さん
6枚目:到着!皆でイェア!!
7枚目:沖縄県庁。これで47都道府県制覇!!
8枚目:担当の方。感謝でっす!
9枚目:うちのとーちゃん